名目10年債利回りは週 +18.6bp の 5.1840(週内一時 5.23%、2007年以来)に上昇したが、その内訳は実質金利 +15bp・ブレークイーブンは約2.34%で横ばいだった。上昇の約8割は「インフレが悪い」ではなく「Fed が緩和しない」への再評価である。S&P 500は週 +1.21%・Nasdaq +2.06%・日経平均 +2.07%で引けた一方、等ウェイト型 S&P は -1.0%、Russell 2000 は -0.80%と内部は売られ、金は5週連続安(-2.34%、4,321.20)、ドル/円は口先介入だけで円ロング約4割が掃除されたが終値は157.18の円安方向だった。来週は9/30の米8月PCE、10/1の日銀短観・米ISM、10/2の東京区部CPI・米雇用統計、9/29の日本株中間配当権利落ちという5つの判定日で、実質金利主導の再配分が剥落するか継続するかを検証する。
横断スナップショット
全アセット先週(2026-09-21〜25週)の主要資産リターン。株は指数だけが上げ、商品はそろって下落、ドル指数は週次で上昇した。
| | | | |
|---|
| SPXS&P 500 | 7,743.41 | +1.21% | +0.88% | — |
| IXICNasdaq Composite | 27,068.72 | +2.06% | +3.59% | — |
| N225日経平均 | 66,364.20 | +2.07% | +0.15% | — |
| USDJPYドル円 | 157.18 | +0.68% | -1.30% | — |
| EURUSDユーロドル | 1.14 | -0.66% | -2.19% | — |
| DXYドル指数 | 100.97 | +0.75% | +1.82% | — |
| WTIWTI原油 | 92.41 | -7.87% | +12.38% | — |
| XAU金 | 4,321.20 | -2.34% | -7.14% | — |
| BTCビットコイン | 84,039.61 | +3.40% | +5.74% | — |
| ETHイーサリアム | 2,688.00 | +1.86% | +7.45% | — |
指数3本がそろって上げた週に、金とWTIがそろって売られ、ドル指数は上げた。リスクオンでもリスクオフでもない——実質金利の機会費用が全アセットを同時に採点し直した週である。
利上げしたのは日米両方、動いたのは金利差のまま
9月16日のFOMCは+25bpを12-0全会一致で決め、政策金利は3.75〜4.00%(2023年以来初の利上げ)。SEPの年末中央値は4.00〜4.25%、参加者18名中16名が年内追加利上げを想定した。翌17〜18日の日銀も+25bpで1.25%へ(1995年以来31年ぶり、7-2)。日米がそろって利上げしても、米10年債が+18.6bp伸びたのに対し日本側は追いつかず、日米金利差は縮まらなかった。
差が縮まらないなら円は戻らない。ドル/円は週内159円台まで進み、9/18のレートチェック、9/24片山財務相の「7/31日米協調介入の原則は生きている」、9/25の片山・ベッセント会談とトランプ大統領の円安懸念伝達という口先の連鎖で157.18まで反落した。実弾介入は一度も出ていない。CoTで円ロングは約4割振るい落とされたが、価格は157円台を維持した——口先介入は建玉を掃除できてもトレンドを止められず、過去の実弾水準159〜160円への引力が残る。
株は指数だけが上げ、内部は金利に売られた
S&P 500 +1.21%の内側で、等ウェイト型は-1.0%、Russell 2000は-0.80%。5.18〜5.19%の10年債が金利感応セクター(小型株・公益・不動産)を圧迫し、上げたのは半導体一点集中(SMH週約+5.9%、9/21のMETA+11.4%・AMD時価総額1兆ドル突破・INTC+12.1%・ARM+17.1%)。日経は5日続伸で66,364.20だが、9/29の中間配当権利落ちと9/30期末リバランスという機械的な下押し要因が来週に控える。分断が修復されるか常態化するかは、金利の継続性と半導体集中の持続性で決まる。
金・原油・BTC:同じ実質金利、違う売られ方
金は5週連続安(-2.34%)でも投機筋ネットロングは+225,853枚残存——「売られ尽くし」ではなく、実質金利が剥落しなければ下落継続の燃料が残る。WTIは-7.87%で92.41まで落ちたが、Brent-WTIスプレッドが約11.70ドルへ拡大(5月以来最大)し留出燃料は逼迫——世界的な供給過剰ではなく、ボトルネックが海峡から米国の精製・輸出へ移った再価格付けである。BTCは現物ETF週計+2,385.8Mドルの純流入(9/21の+999.0Mは2026年最大の単日流入)がありながら87,000ドルを2度拒否。満期週の建玉構造が停滞の一部を説明するが、流入逓減は満期では説明できない残差で、満期後の建玉再構築で満期説か恒常的供給説かが判明する。
来週の判定日
- 9/29(火): 日本株 中間配当権利落ち(日経・TOPIXの機械的下押し幅)、RBA(利上げ織り込み、コンセンサス4.60%)、米ADP・消費者信頼感
- 9/30(水): 中国PMI、米8月PCE(織り込み剥落の第一判定)、Q2 GDP確報、SEC会計年度末、EIA週次在庫(ディーゼル在庫がBrent-WTIスプレッドの正当性を検証)
- 10/1(木): 日銀短観・主な意見(円側の金利期待)、米ISM製造業、Nike決算
- 10/2(金): 東京区部CPI・失業率、ユーロ圏HICP速報、米雇用統計(NFPコンセンサス+10.0万人・失業率4.1%)、Tesla Q3納車台数(コンセンサス約45.6〜46.6万台)
- 10/4(日): OPEC+7か国会合(増産再開か据え置きか)
実質金利が剥落する経路は「インフレ期待後退」ではなく「利上げ織り込みの剥落」に限られる。PCE・ISM・NFPが弱めに出て10/28会合織り込み(9/25早朝67.5%)が割り込めば、金・円への圧力は緩む。強ければ実質金利は継続し、株の内部分断・金の残存ロング・円の介入引力はそのまま来週へ持ち越される。
出典
- FRB・FOMC声明・議長会見(2026-09-16)・https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/monetary20260916a1.pdf / https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20260916.pdf (取得日 2026-09-26)
- 日本銀行・金融政策決定・総裁会見(2026-09-18・09-24)・https://www.boj.or.jp/en/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260918a.pdf / https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2026/kk260924a.pdf (取得日 2026-09-26)
- Yahoo Finance chart API・S&P 500・Nasdaq・日経平均・https://query1.finance.yahoo.com/v8/finance/chart/%5EGSPC?range=2mo&interval=1d 他 (取得日 2026-09-26)
- Yahoo Finance chart API・USD/JPY・EUR/USD・DXY・https://query1.finance.yahoo.com/v8/finance/chart/USDJPY%3DX?range=2mo&interval=1d 他 (取得日 2026-09-26)
- Yahoo Finance chart API・WTI・金・米10年債・https://query1.finance.yahoo.com/v8/finance/chart/CL%3DF?range=2mo&interval=1d 他 (取得日 2026-09-26)
- Reuters/Newsquawk/InvestingLive・片山財務相発言・日米協議・https://www.reuters.com/world/asia-pacific/japans-katayama-says-principles-japan-us-fx-intervention-remain-place-2026-09-24/ (取得日 2026-09-26)
- 財務省・為替介入実績・https://www.mof.go.jp/english/policy/international_policy/reference/feio/monthly/index.html (取得日 2026-09-26)
- CME FedWatch・政策金利織り込み・https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html (数値基準 2026-09-20・09-25)
- Morningstar・S&Pセクター週次・https://www.morningstar.com/markets/weekly-market-update-stocks-gain-109-technology-rises-energy-falls (取得日 2026-09-26)
- BLS・財経新聞・dience・米雇用統計日程・予想・https://blsmon1.bls.gov/schedule/2026/10_sched.htm / https://www.zaikei.co.jp/article/20260926/871303.html (取得日 2026-09-26)
- Newsquawk・Continuum Economics・PCE・ISMプレビュー・https://www.newsquawk.com/headlines/week-in-focus-28th-sept-2nd-oct-us-nfp-pce-and-ism-manufacturing-pmi-rba-and-ez-cpi- (取得日 2026-09-26)
- Farside・CoinGecko・DefiLlama・BTC/ETH ETFフロー・ドミナンス・ステーブルコイン(週次系列、取得日 2026-09-26)
- LSE/MarketWatch/OGJ・原油需給・ホルムズ・サウジ迂回・https://www.lse.co.uk/news/oil-prices-slide-about-2-as-us-iran-explore-path-out-of-war-fucra3kxxplgq92.html (取得日 2026-09-26)
- 財経新聞・権利落ち・期末リバランス・https://www.zaikei.co.jp/article/20260925/871237.html (取得日 2026-09-26)