用語集
統計学・金融の記事中で参照される専門用語を、定義・数式・関連用語・登場記事への逆引きリンク付きで 解説する用語集。各用語は記事本文のインライン参照(ホバーカード)からも遷移できる。
収録用語は統計学基礎シリーズをはじめとする記事群と相互リンクしており、定義を確認したあとに 実際の使われ方を記事で追える。用語名・読みでの検索とカテゴリでの絞り込みに対応する。
Anki / CSV でエクスポート関連用語ネットワーク
円の大きさは記事での言及頻度、線は関連する用語どうしのつながりを表す。円をクリックすると該当用語のページに移動する。
用語集ミニクイズ
定義文を読んで、それがどの用語かを4択で当てるクイズ。全 10 問。
29 件の用語
か
確率変数
確率試行を行う前の段階では値が定まっておらず、試行を行うと確率分布に従って値が一つ定まる量。慣習として変数本体は大文字、試行後に観測された具体的な値(実現値)は小文字で書き分ける。
Catalan数
数学・組合せ論n対の括弧を正しく対応させる方法の数として現れる組合せ論の数列。1, 1, 2, 5, 14, 42, 132, ... と続き、二分木の数や、格子経路の数など、形の異なる多くの組合せ問題で同一の数列として登場する。
基準率
確率集団全体で対象の事象がどれくらいの割合で発生しているかを表す確率。ベイズの定理の事前確率にあたり、事後確率を最も大きく動かす変数の 1 つ。
期待値
統計確率変数が取りうる各値に、その確率を重みとして掛けて足し合わせた値。長期的に試行を繰り返したときの観測平均の収束先を表す。離散型では値と確率の積の総和、連続型では密度関数による積分で定義される。
期待値の線形性
確率確率変数の和と定数倍について期待値演算子が素通りする性質。E[aX+b]=aE[X]+b および E[X+Y]=E[X]+E[Y] が独立性を要求せずに成り立つ。
さ
最頻値
統計データの中で最も多く出現する値。連続データには適用しにくく、カテゴリ・離散値で力を発揮する代表値。
算術平均
統計データを全部足して個数で割った値。全員を等しい重み(n 分の 1)で扱う性質から、1 人の極端な値(外れ値)が結果を大きく動かす。
Sheffer ストローク
論理学・計算機科学単独であらゆるブール関数を生成できる二項論理演算子。代表例は NAND(否定論理積)。Henry Maurice Sheffer が1913年に NAND だけでブール代数全体を記述できることを示した。
指示確率変数
確率事象 A に対して、結果が A に含まれるとき 1、含まれないとき 0 を返す確率変数。期待値を取るとちょうど A の確率に一致し、確率を期待値の計算に乗せる道具として使われる。
Schanuel 予想
数学・超越数論複素数 z₁,…,zₙ が ℚ 上線形独立なら、z₁,…,zₙ,exp(z₁),…,exp(zₙ) のうち少なくとも n 個は ℚ 上代数的独立、という超越数論の中心予想。多くの未解決問題を一つにまとめる強力な仮説。
周辺確率
確率同時分布から特定の変数を足し合わせて消したあとに残る、ある変数単独の確率。ベイズの定理の分母(evidence)として現れる。
事後確率
確率観測したデータを受け取った後の、ある事象が成り立つ条件付き確率。事前確率 × 尤度 / 周辺確率の比でベイズの定理から計算され、観測前の確率を観測後の確率に更新する量を表す。
事前確率
確率観測データを受け取る前に事象に対して割り当てておく確率。ベイズの定理 P(A|B) = P(B|A) P(A) / P(B) の中で事後確率を計算する起点になる。
実現値
確率確率変数 X が試行を実行した結果として実際に観測された具体的な数値 x のこと。試行前の「値が定まっていない箱」が X、試行後に箱から出てきた「具体的な数」が x。
順序統計量
統計データを小さい順に並べ替えたときの k 番目の値。中央値・最大値・最小値・四分位点はすべて順序統計量の特別な場合。
条件付き確率
確率事象 B が起きたとわかったときに事象 A も起きている割合。A と B の同時確率を B の確率で割って定義され、全体を B の縦帯に絞り直してから A の比を測る操作として読める。
条件付き独立性
確率第 3 の事象 C が起きたとわかった条件のもとで、事象 A と B が独立になる関係。無条件の独立性とは別物で、Simpson のパラドックス・ナイーブベイズ分類・因果推論の d-separation など実務の核となる場面に現れる。
全確率の公式
確率ある事象の確率を、原因ごとの条件付き確率と事前確率の重み付き和で計算する公式。ベイズの定理の分母や機械学習の周辺尤度(evidence)の計算原理。
た
代表値
統計データの中心的な位置を 1 つの数で要約した量。平均・中央値・最頻値の 3 つが代表的だが、データの形と何を知りたいかに応じて使い分ける必要がある。
中央値
統計データを小さい順に並べたとき真ん中に位置する値。順位だけを見るため、外れ値が何倍に動いても順位が変わらない限り中央値は動かない。
同時確率
確率2 つ以上の事象が同時に起こる確率。確率変数 X と Y がそれぞれ特定の値を同時に取る確率を指し、条件付き確率・周辺確率・独立性を定義するための土台になる。
独立性
確率2 つの事象 A, B について、B が起きたという情報を得ても A の確率が変わらない関係。数学的には P(A ∩ B) = P(A) P(B) または同値に P(A|B) = P(A) で定義する。排反性とは正反対の概念。