政策金利は、中央銀行が金融政策のスタンスを示し、金利に働きかけるための基準となる金利です。
定義
政策金利とは、中央銀行が金融政策のスタンスを示すために設定・誘導する金利、または金利群です。中央銀行は金融市場調節、つまり金融市場に働きかけて、誘導する金利を目標に近づける運営の基準として政策金利を用います。多くの中央銀行では短期金利が主な政策手段ですが、対象となる金利や運用枠組みは国・中央銀行によって異なります。そのため、政策金利が各国共通の単一の金利を指すとは限りません(BIS Markets Committee「Markets Committee compendium: currency area overviews」、欧州中央銀行「Monetary policy glossary」)。
日本銀行の例
日本銀行は2024年3月の枠組み見直し後、無担保コールレート(オーバーナイト物)を政策金利としています。金融市場調節方針では、この金利の誘導目標を定めています。ここでは、「どの金利を政策金利とするか」と、その金利を「どの水準へ誘導するか」が区別されています(日本銀行「金融市場調節方針の変遷を教えてください」)。
日本銀行の説明では、誘導対象の短期金利はほかの市場金利や貸出金利に波及します。市場で実際に成立する金利や企業・家計向けの貸出金利は、政策金利とは別の金利です(日本銀行「日本銀行金融市場局の仕事『金融市場調節』を実行する」)。
似た語との違い
- 市場金利:市場で実際に成立する金利です。政策金利を基準とする金融市場調節の影響を受けることがありますが、政策金利そのものではありません(カナダ銀行「Framework for market operations and liquidity provision」)。
- 誘導目標金利:一部の用語解説では、政策金利の別称として扱われています。一方、日本銀行の説明では、政策金利にどの金利を選ぶかと、その金利の誘導目標を定めることが分けられています。文脈を確認せず、常に同じ意味として置き換えないようにします(iFinance「政策金利とは」、日本銀行「金融市場調節方針の変遷を教えてください」)。
- 公定歩合:日本では、かつて金融政策の代表的な政策金利でした。現在は基準貸付利率と呼ばれ、日本銀行が金融機関に資金を貸し付ける補完貸付制度の適用金利です。この利率は、無担保コールレート(オーバーナイト物)の上限として働きます。そのため、現在の政策金利として誘導される無担保コールレートとは役割が異なります(日本銀行「以前の『公定歩合』は、現在、どのように位置づけられていますか?」)。
- 金利差・政策金利差:金利差は二つの金利の差を指し、政策金利差は二つの国・地域の政策金利の差を指します。いずれも金利の差を表す語で、政策金利そのものではありません。
この用語を扱う本編記事
詳しくは
- 日本銀行「金融市場調節方針の変遷を教えてください」
- 日本銀行「日本銀行金融市場局の仕事『金融市場調節』を実行する」
- BIS Markets Committee「Markets Committee compendium: currency area overviews」
- 欧州中央銀行「Monetary policy glossary」項目「key ECB interest rates」
- カナダ銀行「Framework for market operations and liquidity provision」
- 日本銀行「以前の『公定歩合』は、現在、どのように位置づけられていますか?」
- iFinance「政策金利とは」