NFP(Nonfarm Payrolls)は、米国の非農業部門における給与雇用の規模やその増減を示す雇用統計です。
定義
NFPは、米労働統計局(BLS)の事業所調査「Current Employment Statistics(CES)」が推計する、米国の非農業部門の給与雇用ジョブ数です。ここで数えるのは働く人の実人数ではなく、給与台帳上の仕事の数です。同じ人が複数の事業所で働いていれば、それぞれの事業所で一つずつ数えます(BLS, Handbook of Methods: Current Employment Statistics—National: Concepts)。
NFPとして報じられる数値には、ある時点の雇用水準と、前月からの増減があります。たとえば「前月比で雇用ジョブ数がどれだけ増減したか」を示す数値は、雇用水準そのものとは異なります。
対象と数え方
CESの対象には民間事業所だけでなく、政府機関の文民雇用も含まれます。農業従事者、自営業者、無給の家族従業者、家事労働者、軍人などは対象外です。そのため、NFPを「農業以外で働くすべての人の人数」と捉えるのは正確ではありません(BLS, Handbook of Methods: Current Employment Statistics—National: Concepts)。
失業率との違い
失業率もBLSが公表する雇用関連指標ですが、NFPとは別の調査から算出されます。NFPは事業所調査(CES)に基づくジョブ数である一方、失業率は家計調査(Current Population Survey, CPS)で把握する労働力状態をもとに算出されます。CPSは就業者の実人数を数えるため、複数の仕事を持つ人も一人として数えます(BLS, Comparing employment from the BLS household and payroll surveys)。
具体例
参照元記事の「米5月NFP(予想 +102〜125K)」は雇用ジョブ数の増加予想を示し、同じ箇所の失業率「4.4%」は家計調査に基づく別の指標です。記事にある「強ければドル高、金の上値抑制」という見通しは市場反応の予測であり、NFPの定義には含まれません。
この用語を扱う本編記事
詳しくは
- 米労働統計局(BLS), Handbook of Methods: Current Employment Statistics—National: Concepts.
- 米労働統計局(BLS), Comparing employment from the BLS household and payroll surveys.
- 財務省, 『ファイナンス』2022年2月号「米国の雇用関連指標について」.