ドル指数(DXY)は、米ドルの価値を複数の通貨との比較で示す指数です。記事で「DXY」と記されている場合は、ICE U.S. Dollar Indexを指します。
定義
ICE U.S. Dollar Indexは、米ドルと6通貨のバスケットとの価値の関係を、各通貨のウェイトを反映した幾何平均で示す指数です。指数が上昇すればバスケットに対して米ドル高、低下すれば米ドル安を示します。米ドルをあらゆる通貨に対して測る指数ではありません。[ICE「ICE FX Indices Methodology」][ICE「U.S. Dollar Index futures」]
構成通貨とウェイトは、ユーロ57.6%、日本円13.6%、英ポンド11.9%、カナダドル9.1%、スウェーデンクローナ4.2%、スイスフラン3.6%です。ユーロの比重が大きいため、ユーロの変動が指数に強く影響します。[ICE「A surging U.S. dollar presents fresh opportunity」]
具体例
たとえば、ほかの条件が同じままユーロに対して米ドル高が進めば、ユーロの大きなウェイトを通じてドル指数が上がる方向に働きます。これは指数の仕組みを説明する仮想例であり、実際の指数変動は構成通貨すべての動きで決まります。
似た指標との違い
FRBの広義ドル指数は、2019年の方法説明では26通貨を対象とし、貿易ウェイトを年次更新する指標です。BISの実効為替レート(EER)も複数の貿易相手国通貨に対する価値を測りますが、BISの広義指数は64経済を対象に製造業貿易に基づくウェイトを使います。どちらも、6通貨の固定ウェイトを用いるICEのDXYとは対象や設計が異なります。[Federal Reserve Board「Revisions to the Federal Reserve Dollar Indexes」][BIS「Effective exchange rates – overview」]
記事の文脈での注意
ある資産がドル安局面で上昇する、またはDXYと逆相関に動くという関係は、対象資産や観測期間によって変わる経験的な主張です。ドル指数の定義だけから、相関の強さや一般性は決まりません。
この用語を扱う本編記事
詳しくは
- ICE「Currency Indices」:指数名とシンボルの一覧。
- ICE「ICE FX Indices Methodology」:構成通貨、ウェイト、算出方法。
- ICE「A surging U.S. dollar presents fresh opportunity」:構成通貨とウェイト。
- ICE「U.S. Dollar Index futures」:指数の解釈、構成変更の説明、先物シンボルDXとの区別。
- Federal Reserve Board「Revisions to the Federal Reserve Dollar Indexes」(2019年):FRBドル指数の対象とウェイト設計。
- BIS「Effective exchange rates – overview」:実効為替レートの対象とウェイト設計。
- 野村證券「証券用語解説集:ドル指数」:日本語表記と読み方。