W28 crypto: 10日間の流出が止まり、CPI前に見る二つの観測点
W27でBTCは10日連続ETF純流出を止め+3.58%で引けたが、最大AUMのIBITは11日連続流出継続。W28は米CPI発表が7/14(W29)、FOMC議事録が7/8 14:00 ET(W28内)で、主な米トップティア触媒は7/6 ISMサービス業PMI。W28 の方向を決めるのは IBIT 週次符号と7/6 ISM の二点だ。
W27でBTCは10日連続ETF純流出を止め+3.58%で引けたが、最大AUMのIBITは11日連続流出継続。W28は米CPI発表が7/14(W29)、FOMC議事録が7/8 14:00 ET(W28内)で、主な米トップティア触媒は7/6 ISMサービス業PMI。W28 の方向を決めるのは IBIT 週次符号と7/6 ISM の二点だ。
BTC は7月3日に現物 ETFETFは、金融商品取引所に上場し、取引時間中に市場価格で売買される投資信託です。市場価格は、保有資産を基に算出する1口あたりの基準価額(NAV)と異なることがあります。 の10日連続純流出が止まり、単日で $221.7M(2ヶ月ぶりの最大流入)を記録した。ところが最大 AUM を誇る IBIT は同日も-$40.43M(11日連続流出)で逆行し、週ネットは-$304.92M(回復率42.1%)のままだ。W28(7/6〜7/10)は米 CPICPIは、消費者が購入する財・サービスの価格の動きを指数で示す統計です。国や機関により指標の範囲や算出方法が異なり、ユーロ圏のHICPと常に同じ意味ではありません。 が7/14(W29)、FOMC 議事録が7/8 14:00 ET(W28 内)に控え、域内の米トップティア触媒は7/6の ISM サービス業 PMI が主になる。W28 の方向を決めるのは IBIT の週次符号と7/6 ISM の二点だ。

BTC は7月1日に $57,735 まで下落し、21ヶ月ぶりの安値を記録した。200週移動平均(〜$61,000)を一時割り込んだあと、7月2日(独立記念日前倒し)の NFP米労働統計局の事業所調査が推計する、米国の非農業部門における給与雇用ジョブ数です。市場で示される前月比の増減は、失業率とは別調査に基づく指標です。 +57,000人(予想+110〜115,000人の約半分)を受けて同日$61,000台を回復し、週末は $63,200(週次+3.58%)で引けた。月次では-20.48%と2026年最大の月次下落を記録している。BTC YTD は-22.9%。
ETH は+11.28%(〜$1,782)と BTC を大幅に上回り、SOL は+13.73%(〜$81.67)でアルト市場をリードした。
| BTC | — | +3.58% | -20.48% | -22.90% |
| ETH | — | +11.28% | — | -40.00% |
| SOL | — | +13.73% | — | — |

7/3の+$221.7Mが「機関需要の転換」として速報された一方、6/29〜7/2の4日間合計は-$526.64Mで、7/3込みの週ネットは-$304.92M(回復率42.1%)。YTD-$5.4Bの4.11%しか取り戻していない。しかも+$221.7Mの116.3%はFBTC(+$165.96M)とARKB(+$91.84M)の2銘柄に集中し、最大AUMのIBITは-$40.43M(11日連続流出)で逆行した。ETFチャネル経由の機関需要が反発の買いを担ったという構図は成立しない。OTC・現物取引所等のETFチャネル外からの需要を否定するものではないが、その直接証拠はない。
| ETF | 発行体 | 7/3日次フロー | 備考 |
|---|---|---|---|
| FBTC | Fidelity | +$165.96M | 当日最大(純額の74.9%) |
| ARKB | Ark/21Shares | +$91.84M | 2番目の流入 |
| HODL | VanEck | +$4.35M | 小規模流入 |
| IBIT | BlackRock | -$40.43M | 11日連続純流出(逆行) |
| 合計 | — | +$221.72M | 2ヶ月ぶり最大 |
FBTC+ARKB で純額の116.3%(HODL 込み118.2%)を説明。最大 AUM の IBIT は逆行流出を継続。
出典: CoinDesk 2026-07-03
4日間合計フロー(6/29〜7/2): -$526.64M
7/3単日: +$221.72M
週ネット(7/3込み): -526.64 + 221.72 = -$304.92M
回復率 = 221.72 / 526.64 = 42.1%
YTD 回復率 = 221.72 / 5,400 = 4.11%
規制面では7月1日に MiCA 完全施行が発効し、USDT が EU 規制取引所から除外された。EU 域内の USDT 流動性ギャップは30〜35B ドル相当と推計されるが、USDC/DEX分散型取引所(DEX)は、暗号資産交換の機能の全部または一部を、利用者どうしで直接取引する仕組みやプログラムによる自動処理で担うサービス/プロトコルです。処理がブロックチェーン上で行われる範囲や管理の分担は、実装ごとに異なります。 への移行速度は不定量で、W28 の価格触媒としての即効性は薄い。7月4日には CLARITY Act が議会の7/4署名目標を逸失し、Polymarket 上の年内成立確率が74%から48%へ低下した。
MiCA(EU 暗号資産市場規制)は2026年7月1日に完全発効。USDT はMiCA 準拠ライセンスを取得していないため、Coinbase EU・Binance EU・Kraken・Crypto.com の EU 向けプラットフォームから段階的に除外された。影響する流動性は世界全体の15〜20%相当($30〜35B)と edgen.tech が推計。USDT は DEX(分散型取引所)では継続取引可能。USDC と EURC(いずれも Circle)は MiCA 完全準拠で受益見込み。
出典: edgen.tech / moneycheck.com / coinpaprika.com(2026-07-05取得)
7/3の+$221.7Mは「機関需要の転換」として速報が流れた。実態は FBTC+ARKB の2銘柄集中で、最大 AUM の IBIT は11日連続流出を継続したままだ。「10日流出終了」は週ネット-$304.92M(回収率42.1%)と IBIT 11日連続流出が続いた状態を指す。機関需要の転換を確認できる指標はまだない。


FBTC/ARKB の単日買い戻しは7/3に転換済み(+$257.8M)。IBIT の週次符号は現在も未転換(-$40.43M、11日連続)。W28 の本命観測点はここだ。週次純フローと YTD はいずれも未転換(週-$304.92M、YTD-$5.4B)。
IBIT が転換せずに FBTC/ARKB だけが反応した状態を、機関需要の本格転換と呼ぶのは早計だ。IBIT の週次符号がプラスに転じてこそ、速報ナラティブが実態に追いつく。
| シナリオ | 条件 | 価格方向 |
|---|---|---|
| ベース | IBIT 流出継続 or まだら / 週次純フロー-$100M〜-$300M | 非確認の反発継続。$63,000〜$65,631 抵抗帯は限定試し |
| 上振れ | IBIT 2営業日連続純流入かつ週次純フロープラス転換 | 第2/3層 anchor 転換の実証。$65,631 試しを後押し |
| 下振れ | 週次純流出-$300M 超への再拡大 / FBTC・ARKB 失速 | FBTC/ARKB の買い戻し失速→YTD-$5.4B 構造流出が主役。$58,000 割れリスク |
キーレベル: 上値 $63,000/$65,631(弱気緩和ライン)。下値 $61,000(200週 MA)/$60,000/$58,000/$55,000(次サポート)。
W28 は米 CPI が7/14(W29)、FOMC 議事録が7/8 14:00 ET(W28 内)に控え、W28 内の米トップティア触媒は7/6の ISM サービス業 PMI が主になる。コンセンサスは〜54.3(前月54.5)。

7月2日(独立記念日前倒し)の NFP +57,000人(予想+110〜115,000人の約半分)は、CME FedWatch の7/29 FOMC 会合における25bp 利上げ確率利上げ確率は、特定の会合後に政策金利が現在より高くなる可能性を示す市場ベースの推計値です。対象会合や算出方法によって意味が変わり、FOMCが公表する確率とは異なります。を28.9%から19.8%へ-9.1pp 押し下げた(因果: 雇用鈍化→金融引き締め後退の織り込み、中間メカニズム=FedWatch 実数変化で観測可能)。BTC は7/1に $57,735 の安値を付けたあと、7/2のNFP発表を受けて同日$61,000台を回復し、週末$63,200まで反発した。この反発は利上げ確率低下への相関による同日反応の共有であり、crypto 固有の買いフローが入った直接証拠はない。利下げ期待への転換ではなく、利上げ確率の低下という別の経路だ。FOMC は現在も利上げバイアス(6月会合声明=利上げスタンス継続)を保っており、この区別は燃料の性質を特定するうえで重要になる。
ISM サービス業 PMI のコンセンサスは〜54.3(前月54.5)。この発表が利上げ確率に与える影響で、反発の燃料が延命するか切れるかが決まる。
W28 は CPI が空白の週であり、週の方向性は W28 末から W29 頭に集中する。FOMC 議事録は W28 内の補助材料として確認しつつ、7月13日(月)に米議会が復帰し CLARITY Act 審議が再開、翌7月14日(火)21:30 JST に6月 CPI(コンセンサス総合 YoY 3.6〜3.8%)が発表される。W28 の値動きは「CPI 前のポジション調整」の色が濃い。
Robinhood 予測市場では CPI 「3.5%超」が96¢(ほぼ確実)、「3.7%超」が74¢、「3.8%超」が22¢で、市場は3.6〜3.8%のレンジを中心シナリオとして織り込んでいる。
CLARITY Act(米国包括的暗号資産市場構造法案)が7/4署名目標を逸失した。以下の3点で民主党7票を得られなかった。
トランプ大統領の $1.4B 暗号資産保有の開示義務: 現職大統領が暗号資産を大量保有したまま規制整備に関与する利益相反。民主党は開示義務化を要求。
Section 604 DeFi 開発者保護: DeFi プロトコル開発者が規制対象になるかどうかの範囲。オープンソース開発者の保護明確化を民主党が要求。
ステーブルコイン利回り条項: ステーブルコイン保有者に利回りを提供するモデルを認めるかどうか。銀行業規制との整合性で対立。
Polymarket 年内成立確率: 74%(1ヶ月前)→48%(2026-07-05時点)。
出典: TechTimes 2026-07-04 / Bitcoin Foundation
CPI 前の下値は $60,000/$58,000 が焦点で、この水準を割らずに CPI を迎えられるかが W28 ブリッジの核心だ。
7月1日に $57,735(21ヶ月ぶり安値)まで下落し、200週移動平均(〜$61,000)を一時割り込んだ BTC が、週末に $63,200(安値 $57,735 から+9.47%の戻り、週次ベースは+3.58%)で200週 MA を奪回した。週足だけを見れば「bear trap の底」に見える。
月次は-20.48%(2026年最大の月次下落)、BTC YTD は-22.9%、ETH YTD は約-40%で、月次/年次のスケールでは下降途中の戻りだ。同じ $63,200 が時間軸によって正反対に読める。
過去の200週 MA 割れ局面(2018〜19年ベア・2022年ベア)との決定的な違いは、現物 BTC ETF という双方向の出口が今回は存在することだ。2018〜19年と2022年は ETF 不在で「200週 MA=構造的底」の類推が成立した。今回は YTD-$5.4B(過去最大規模の年間純償還)が下落を増幅してきた側にいる。「200週 MA を取り返した=自動で底入れ」の類推は割り引くべきだ。
7月3日、BTC が $57,735 から $63,200 へ戻したのと同日に金も+2.3%(週次)上昇した。
BTC-金の1年ローリング相関係数は-0.17(実質的な負相関)。BTC-SPX は平時〜0.30、2026年3月のストレス局面では0.74(一部の日中ウィンドウで決定係数 r²≈0.94の完全連動に近い状態)に達した。7/3の両資産の同日上昇は、NFP 起点の流動性緩和期待という単一マクロイベントへの短期反応を共有した偶発的同日性であり、長期的な「同じ資産クラス」を意味しない。
BTC はストレス時に株と一体化するハイベータ株として機能している。W28 に ISM が上振れて株安に転じた場合、BTC が金と同方向(上昇)に動く可能性は限定的だ。
| 指標 | 値 | 備考 |
|---|---|---|
| BTC-SPX 相関(平時) | 〜0.30 | 部分的な連動 |
| BTC-SPX 相関(2026年3月ストレス時) | 0.74 | 機関リスク一体化 |
| BTC-SPX 決定係数 r²(一部日中ウィンドウ) | r²≈0.94(r≈0.97相当) | 短期的な完全連動 |
| BTC-金相関(1年ローリング) | -0.17 | 実質的な負相関 |
出典: Phemex / Mudrex / Newhedge(2026-07-05取得)
ETH は BTC 比で3.15倍、SOL は BTC 比で3.84倍の戻りを記録した。アルトベータ回転とデリバのショートスクイーズが主因と整合する状況証拠が揃っている。
ETH OI先物建玉(open interest、OI)は、保有する建玉を逆方向の取引で閉じる反対売買や最終決済が済んでいない契約の数量です。ある時点の残高を示し、出来高や買い・売りの偏りとは異なります。 は+10.64%($24.54B)で価格上昇と同方向に膨らみ、出来高も+14.48%($44.74B)と急増した。急増した出来高と価格上昇の組み合わせは、ショートが巻き込まれた急騰局面の特徴と整合する。ただし標準的なデリバ解釈ではショートカバーは OI 減少+価格上昇で現れ、OI の増加は新規ロング参入も示唆するため、ショートカバー単独とは断定できない。Binance ETH ネットフローは+12,938 ETH(取引所への純流入)で、潜在売り圧の集積を示している。ETH ETF は週計-$13.67M の純流出で、ETF 経由の機関買いは限定的だった。
ファンダメンタルズの観点では、Ethereum Foundation(EF)の人員20%削減・予算40%削減が週中に報道され、ETH/BTC 比は10ヶ月ぶりの低水準に達していた。最悪ファンダに逆行して最も大きく戻った銘柄、というのが ETH の構図だ。
留保として一点置く。7/3には ETH スポット ETF(ETHA/BlackRock 主導)が+$29.08M(単日)の純流入を記録しており、「marginal同時分布から特定の変数を足し合わせて消したあとに残る、ある変数単独の確率。ベイズの定理の分母(evidence)として現れる。 buyer は ETF 経由もありうる」という逆示唆が存在する。ローテーション初動の可能性を完全に否定できないため、「戻りの泡」と断じるのではなく「戻りの質が最も低い」に限定する。
ETH/BTC 比は2026年7月時点で10ヶ月ぶりの低水準。ETH YTD 約-40%($2,967→$1,782)に対し BTC YTD -22.9%と、ETH の相対パフォーマンスは長期的に劣後している。
Ethereum Foundation は2026年7月初旬に人員20%削減・予算40%削減を実施したと報道された。プロトコル開発の中枢である非営利組織のリストラが、ETH の売り圧力の一因とされている。
一方で7月1日に「Ethereum Institutional」が設立(独立非営利組織)。銀行・資産運用会社の Ethereum 参入を支援する目的で、BitMine(〜570万 ETH、〜$10.2B 相当)、SharpLink(〜887,000 ETH、〜$1.58B 相当)、Joseph Lubin(Ethereum 共同創業者)がアンカーファンダーとなった。設立直後であり、この新組織が ETH の機関需要をどの程度引き上げるかはまだ判断できない。
出典: CoinDesk / TechTimes / PR Newswire(2026-07-05取得)
中心解釈「CPI 空白週」への反証: 7/6 ISM がサプライズ(PMI ≥56 or ≤52)を出せば W28 は方向を持つ週になる。「CPI 真空」は不在の証明であり、単一指標のサプライズで崩れうる。ただし CPI=7/14・FOMC 議事録=7/8 14:00 ET というカレンダー事実は動かず、週の決定要素が W29 CPI に持ち越される骨格は維持される。
中心解釈「非確認の反発(IBIT 逆行)」への反証: T+1 決済ラグで IBIT の同日符号が実需要を映さない可能性がある。「流出ストリーク終了」自体が下げ止まりのサインとなり、遅れて IBIT が追随する順序もありうる。だからこそ「偽の反発」と断定せず「IBIT 週次符号を W28 の観測点に据える」二項フレームに留める。