W28(7/6〜7/10)は Fed・BOJ 会合がなく、米 6 月 CPI も 7/14(W29)へずれる週だ。6/16-17 FOMC 議事録は 7/8 14:00 ET(JST 7/9 03:00)に出る W28 内の補助材料だが、週内の即時判定は 7/6 ISM サービス業 PMI と 7/9 米新規失業保険申請に集約される。先週の出発点は NFP +57K(予想 +110〜115K)の大幅下振れで、7/29 FOMC の利上げ確率は 28.9% から 19.8% へ低下した。DXY は週次 −0.5%、金は +2.3%、BTC は +3.58% と反発した一方、株式内部では Dow が 52,900.07 で最高値を更新しながら Nasdaq 100 は −3.13%、SOXX は −5.57% と崩れた。表面はリスク選好でも、内部はかなり割れている。
先週の振り返り
先週 2026-06-30〜2026-07-02 NY終値ベース(7/3・7/4 は米休場。利回りは週次 bp 変化・それ以外は週次%)
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| DJIDow Jones(ATH) | 52,900.07 | +2.00% | — | +10.06% |
| SPXS&P 500 | 7,483.24 | +1.80% | — | +9.32% |
| NDXNasdaq 100(3営業日) | 29,329.21 | -3.13% | — | +15.00% |
| N225日経 225 | 69,744.07 | +0.55% | — | +38.55% |
| USDJPYドル円 | 161.10 | -0.40% | +0.61% | +3.68% |
| DXYドル指数 | 100.86 | -0.50% | +1.33% | +2.62% |
| EURUSDユーロドル | 1.14 | +0.60% | -1.56% | -2.61% |
| WTIWTI 原油 | 68.78 | -0.65% | — | — |
| XAU金 | 4,187.30 | +2.30% | — | — |
| XAG銀 | 62.82 | +6.08% | — | — |
| BTCBitcoin | 63,200.00 | +3.58% | -20.48% | -22.90% |
株: Dow ATH と SOXX −5.57% / NDX −3.13% が同居し、ヘルスケア(XLV +5.21%)・金融(XLF +4.06%)がテック・半導体の下落を相殺した。S5TH(S&P 500 の 200 日線上回り比率)は 65.87 と健全ゾーンへ +4.37pt 拡大しており、「裾野は健全・先頭株は崩れ」の二層構造が鮮明だ。為替: DXY −0.5% の主因は EUR/USD +0.6%(寄与の 65–69%)で、円の対ドル上昇は +0.40% と主要 5 通貨で最弱。USD/JPY −0.4% はドル安が円安を上回った差分にすぎない。コモディティ: 銀 +6.08% が金 +2.3% の 2.64 倍という金融ベータ順の動きが、実需ではなくドル安フロー主導だったことの直接証拠。WTI は −0.65% と動かず、同一の NFP ショックがアセットで逆向きに伝わった。仮想通貨: BTC 週次 +3.58% の裏で現物 ETF 週ネットは −$304.92M。最大 AUM の IBIT は −$40.43M と 11 日連続流出で、価格反発と機関フローが乖離した。
来週の構造
来週は中銀会合も CPI もない。FOMC 議事録は W28 内の補助材料として残るが、主な問いは「NFP 後のハト派再プライシング(利上げ 19.8%)が延命するか、サービス物価と雇用の粘りで巻き戻されるか」という一点だ。ISM サービス業(7/6)ではヘッドラインより価格と雇用の組み合わせが重要で、新規失業保険申請(7/9)は NFP の弱さが単月の揺れか減速の継続かを追試する。
このマクロ判定を待つ間、4 spoke はそれぞれ内部の非対称を抱えている。株式は PEP/DAL 決算と SK Hynix ADR 上場が第 1 層の崩れを裾野へ伝染させるか。為替は 160–163 の非対称レンジで下向きだが、2 年金利差 279bp のキャリーが下限を支える。商品は金 COT ネットロング +181.3K の混雑と原油 $67 下値が同時に試される仕込み週。暗号資産は IBIT の週次符号が唯一の機関フロー確認点になる。
来週のマクロ・イベント
中銀・政策の現在地
W28 内に FOMC・日銀・ECB・BOE の会合はない。CME FedWatch 上の 7/29 利上げ確率は NFP 後 19.8%、据え置き約 76%。9/16 累積利上げ確率は 64.1% → 55.0%(−9.1pp)。CPI(7/14)は週外、6/16-17 FOMC 議事録(7/8 14:00 ET)は W28 内で、「延長 vs 巻き戻し」の本決着は W29 以降へ持ち越す。
来週カレンダー
| 日付(JST) | イベント | 見方 |
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| 7/6(月)23:00 | 米 ISM サービス業 PMI(6月) | ヘッドラインより価格・雇用。弱い組み合わせならハト延命、粘りなら利上げ確率の巻き戻し |
| 7/8(水)23:30 | EIA 週次石油在庫 | クッシングのビルド継続か。$67 下値の物理裏付けを更新 |
| 7/9(木)03:00 / 7/8 14:00 ET | FOMC 議事録(6/16-17 会合) | W28 内の補助材料。7/14 CPI 前に Fed のリスク認識だけを確認 |
| 7/9(木)21:30 | 米新規失業保険申請 | NFP +57K の追試。上振れ継続なら雇用減速シナリオ強化 |
| 7/9〜10 | PEP / DAL 決算 | 株式の第 2 層(裾野)が第 1 層の崩れを吸収できるかのミクロ判定 |
| 7/10 | SK Hynix ADR(SKHY)Nasdaq 上場予定 | 約 $29.4B 規模の新規供給が半導体売りを深めるか |
| 7/14(火・W29) | 米 6 月 CPI | Cleveland Fed Nowcast 3.96%。W28 の結論を出す binary event |
ISM × 失業保険 × 4アセット シナリオ
| ベース(ISM サービス小幅減速・申請横ばい) | 弱め(価格・雇用とも軟化、申請上振れ) | 強め(サービス価格粘着、申請下振れ) |
|---|
| 利上げ確率(7/29) | 15–25% 帯で膠着 | 15% 割れ方向、ハト延命 | 25–35% へ巻き戻し |
| 株(二層) | PEP/DAL・SKHY が局所、S5TH 維持なら限局 | 裾野買い継続、半導体押し目買い | 第 1 層崩れが breadth へ伝染 |
| USD/JPY | 160–163 レンジ、下向きバイアス | 160.65 試し(キャリーは残る) | 162 介入帯再接近 |
| 金 / WTI | 金 $4,000–4,300 / WTI $67–71 | 貴金属延命、原油は在庫次第 | 金ロング巻き戻し、ドル高で二重下押し |
| BTC / IBIT | IBIT 符号まちまち、$60k–64k | 流入転換なら反発継続 | 流出再加速で $60k 割れ試し |
一段深い視点
NFP +57K の対象週は独立記念日短縮の 3 営業日で、出来高の薄さがヘッドラインを増幅した可能性がある。それでも mega-cap の 1 ヶ月リターン(NVDA −12.56% / MSFT −11.52% / MU −8.32%)と IBIT の 11 日連続流出は、週次ノイズでは説明しきれない。W28 で見るべきなのは「単月 NFP の真偽」ではなく、サービス物価と継続的な雇用フローがハト派再プライシングの土台を支えるかどうかだ。
同じ空白週でも、アセットごとの律速要因は揃わない。株はミクロ決算、為替はキャリーと介入非対称、商品は COT 混雑と在庫、暗号は IBIT という機関フロー。横断の共通鍵は ISM と失業保険だけであり、それ以外は spoke 内の固有触媒で先に動く。
アセット別 来週見立て
S5TH 65.87 の健全さと mega-cap 全面安が同居する二層構造。W28 の判定軸は PEP・DAL 決算と SKHY 上場が、第 1 層の崩れを第 2 層へ伝染させるか。CPI は W29 先取り(Nowcast 3.96%)として意識するが、週内の直接触媒ではない。
キーレベル: 裾野維持なら限局押し目、breadth 悪化なら NDX / SOXX 主導の一段安。VIX 15.81 は 52 週レンジ下位で、急騰余地は残る。
円は NFP ショック週でも主要通貨最弱。USD/JPY は 160–163 の非対称レンジで下向きに傾くが、市場 2 年金利差 279bp が下限を支える。ドル安を順張りするなら EUR/USD・GBP/USD が素直で、ドル円の下方向はキャリーと介入警戒で濁る。
キーレベル: 上値 162–163(介入警戒)、下値 160.65 / 159.45(弱材料が重なった場合)。
銀が金の 2.64 倍上昇したフロー主導の全面高を、CPI(W29)と EIA / IEA が耐久性を問う。金 COT +181.3K は基準日 6/26(NFP 前)で、反発後の実勢は未反映。WTI は $67–71、クッシングのビルド継続が $63 方向の圧力になるかが焦点。
キーレベル: 金 $4,000–4,300 / 銀 $60–64 / WTI $67–71。
7/3 の単日 +$221.7M 流入だけでは転換確認にならない。週ネット −$304.92M、IBIT 11 日連続流出が機関フローの実態。域内の米側トップティアは 7/6 ISM サービスが主で、FOMC 議事録は補助材料、判定は IBIT の週次符号と ISM の二点に絞る。
キーレベル: BTC $60,000–64,000。IBIT 週次プラス転換が反発の必要条件に近い。
来週の注目点
- ISM サービス業 PMI(7/6 月): 価格×雇用の組み合わせがハト延命か巻き戻しかを分ける
- 米新規失業保険申請(7/9 木): NFP +57K の追試。単月ノイズか減速継続か
- PEP / DAL / SKHY(7/9–10): 株式二層構造のミクロ判定
- EIA 週次在庫(7/8 水): 原油 $67 下値の物理裏付け
- CPI は W29(7/14): W28 は結論を出す週ではなく、持ち越しポジションの質を選別する週
ソース
- CME FedWatch(2026-07-05 取得)
- Yahoo Finance / Investing.com(指数・セクター、2026-07-05)
- CFTC Commitments of Traders(金ネットロング、基準日 6/26)
- EIA Weekly Petroleum Status Report
- CoinDesk / The Coin Republic 等(BTC ETF フロー、2026-07-05)
- 各 spoke: equity / fx / commodity / crypto(2026-W28 公開版)