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原油と金から剥がれた地政学プレミアム: EIA 7/1 と NFP が油価・金価の方向を定める(2026-W26)

WTI 月次 -21.93%・金 週次 -3.0%。中東和平で原油と金から地政学プレミアムが剥がれた構造を分解し、来週の EIA 在庫(7/1)と NFP が油価・金価の方向をどう定めるかを示す。

WTI 原油(月次 -21.93%、$68.86/bbl)が2026年2月27日以来の最安値に沈み、同じ週に金(XAU/USD)が $4,087.01(週次 -3.0%、4週連続下落)まで後退した。2つの現象の根は1つだ。米・イラン和平交渉の進展という同じ震源が、原油からは「供給プレミアム」(産地リスク料)を、金からは「恐怖プレミアム」(安全資産需要)を同時に抜いた。剥落の深さは構造で分かれた。ホルムズ海峡の物理的な再開を伴う原油は月次 -21.93%、中銀需要フロアが残るとみられる金は週次 -3.0%。来週 W27 は供給イベントが薄く、7月1日(水)の EIA 在庫と7月2日(木)の NFP が原油・金の双方に効く金融経路の判定材料になる。

先週の振り返り(2026年6月22〜26日)

コモディティ主要銘柄(2026年6月26日 NY終値ベース)
銘柄価格週次月次年初来
WTIWTI 原油68.86-9.40%-21.93%+18.90%
BRENTBrent 原油71.99-21.96%
XAU4,087.01-3.00%-6.40%
XAG58.87-17.80%
NG天然ガス3.29+6.20%-12.09%
HG6.21
XPTプラチナ1,630.60-15.43%
XPDパラジウム1,213.00-14.61%
コモディティ別 月次リターン(2026年6月)
原油貴金属エネルギー主役: WTI

今週の主役は米・イラン和平交渉の前進だ。ホルムズ海峡の通航障害が消え、ペルシャ湾原油輸出は戦前水準比75%まで回復した。週を通じた出荷加速が価格に先行する形で織り込まれた結果、WTI は週次 -9.4%(前週終値は約76ドル前後の推定値に依拠した概算値)、月次では -21.93% と $68.86 の最安値に到達した。Brent との価格差(スプレッド)は $3.13 で正常域($3〜5)に収まっており、ホルムズ危機下で起きた地域的な価格ディスロケーションはほぼ解消している。

「在庫が強気なのに価格は下げた」週でもある。6月24日(火)発表の EIA 原油在庫は -6.088 百万バレル(予想 -4.5 百万バレルを大幅上回るドロー)だった。前々週(6/12終了週)の -8.262 百万バレルと合わせて2週連続の大幅取り崩しで、在庫水準は5年平均比 -7%(4億1,210万バレル)とタイトな位置にある。それでも EIA 発表当日を含め、価格は下げ続けた。「現在の在庫タイト」より「先行きの供給正常化期待」が価格を支配した週だ。

貴金属の内側でも方向が分かれた週だった。金は週次 -3.0% にとどまった一方、銀(YTD -17.8%)・プラチナ(月次 -15.43%)・パラジウム(月次 -14.61%)はより深い下落となった(プラチナ・パラジウムは月次比較)。地政学的な恐怖プレミアムが剥落するなかでも、通貨的逃避需要を持つ金の底堅さが産業需要型の銀・PGM との選別として出た週だ。

EIA 在庫(7/1)がビルドに転換して Phase 2 入りを数値で裏付けるか、NFP(+130K コンセンサス)後のドル方向が原油・金の金融経路にどう効くか、貴金属内の防御的選別が持続するか。この先週からの持ち越し論点が W27 の軸になる。

詳細データEIA 在庫の詳細(6月19日終了週、6/24発表)
品目週次変化在庫水準5年平均比
原油(SPR除く)-6.088 百万バレル4億1,210万バレル-7%
ガソリン+2.10 百万バレル要確認
留出油(ディーゼル等)+3.10 百万バレル要確認

原油のドローは需要側(輸出・製油所稼働)の引き合いが残っていることを示す。ガソリン・留出油はともにビルドしており、製品需要の勢いが原油の在庫タイト感を下回っていることの状況証拠でもある。2週連続の大幅ドローにもかかわらず価格が下げ続けた構図は、「現在の在庫タイト」が「将来の供給回復期待」に圧倒されるという価格決定のメカニズムを示している。

背景OPEC+ の直近スタンス(6/7第41回閣僚会議)

6月7日に開催された第41回 OPEC+ 閣僚会議では、2026年12月末まで全体の生産量クォータを変更しないことが確定した。UAE 脱退後初の全体会議で、生産能力評価メカニズムも承認されている。5月・6月に続いた月次 +188千 bpd の増産ペースはこの枠組みの中での実施で、ホルムズ再開が起きても OPEC+ が追加増産に動いたわけではない。油価急落の主因は生産政策の転換ではなく供給の物理的な回復だ。次回の全体閣僚会議は11月28日で、2027年クォータが主テーマになる。8カ国グループの7月月例会合の日程は現時点で未公表。

来週の3焦点(2026年6月29日〜7月3日)

7月1日(水)の EIA 在庫、7月2日(木)の NFP、同日の天然ガス在庫が W27 のカレンダーを占める。

  • EIA 週次石油在庫(7月1日 水曜 23:30 JST): WTI 急落週(6月22〜26日)の在庫動向を初めて確認する。Phase 1(プレミアム減圧)がほぼ完了したなか、供給余剰が実数で裏付くかどうかの最初の定量証拠になる
  • NFP 雇用統計(7月2日 木曜 21:30 JST): コンセンサス +130K(前回 +172K)。ドル方向を通じて原油・金の双方に同時に作用する金融経路の触媒
  • EIA 週次天然ガス在庫(7月2日 木曜 23:30 JST): 猛暑(7月10日まで高温予報)と LNG 輸出増の需要プルが在庫積み上げを鈍化させるかを確認する

7月3日(金)は NY 市場休場(独立記念日観測日)で実質4営業日週。NFP 後の薄商いで値動きが増幅されやすい点に注意が必要だ。

焦点①: 原油(Phase 1 ほぼ完了)、EIA 7/1 が Phase 2 移行の確認イベント

地政学プレミアムの2段階アンワインド

今回の原油下落は2つのフェーズで構造が変わる。

Phase 1(プレミアム減圧): 戦争で積み上がったリスク料が停戦・ホルムズ再開で剥落し、価格が戦前水準(2/27安値 $68.86)へ戻る。今週ほぼ完了した。

Phase 2(ファンダ余剰レグ): プレミアムが消えたあと、残り25%の供給回復・ドル高・需要鈍化が重なり、戦前水準を下抜けて需給余剰の領域へ入る段階。参照点は2025年末終値 $57.9(中東紛争が本格化する前の直近の需給均衡点)で、現値との差は $10.96/bbl。来週 EIA 在庫(7/1)が最初の定量証拠になる。

今週の因果連鎖はシンプルに追える。

米・イラン和平交渉が前進ホルムズ海峡の通航障害が解消方向
ペルシャ湾輸出 戦前比75%回復サウジ・UAE からの出荷が週中に加速
先行き供給増の期待が先行して織り込まれるEIA在庫 -6.088百万バレル のドローを圧倒
WTI \$68.86(月次 -21.93%)Brent \$71.99、スプレッド \$3.13(正常域)

Phase 1 の下落燃料はほぼ出尽くしに近い。WTI は既に戦前水準(2/27安値)に到達しており、剥落すべきプレミアムの大半が消えた。WTI-Brent スプレッド $3.13 が正常域にあることも、地域的なディスロケーションの解消を示している。来週「さらに下」へ延びるには Phase 2 の新材料が要る。月次 -21.93% 級の再現は、供給・金融・需要の3方向が揃って下方に向かう新規の材料なしには起きない。

来週 EIA 在庫(7/1)の読み方

シナリオEIA(6/26週)の結果油価の方向
ビルド転換供給余剰が実数で裏付くWTI $68.86 を下抜け、$57.9方向へ緩やかに
小幅ドロー〜横ばいタイトだが供給期待が支配$68.86 近辺で下方バイアス付き揉み合い
大幅ドロー継続需要健在、Phase 2 はまだ先Oversold bounce で短期反発余地
背景NFP の原油への非対称影響

NFP(7/2)は原油に対して非対称に効く。

強 NFP(+170K 超、失業率改善): ドル高が加速し、WTI のドル建て売り圧力が加わる。供給正常化(下方)と金融経路の下押し(下方)の二重下押しが重なる局面になる。

弱 NFP(+100K 割れ): ドル安で金融経路の下押しが和らぐ半面、需要鈍化への不安(景気懸念)が浮上する。需要懸念(下方)とドル安緩和(上方)が交錯し方向が定まりにくい。「弱 NFP なら油価が上昇する」という単純な読みは、この需要不安との相殺を見落とす。

焦点②: 金(「金利低下で金下落」は見かけ)、実質金利で分解すると整合する

金 $4,087.01(週次 -3.0%、4週連続下落)は、名目10年債利回りが -7bp 低下(金には上方要因)したにもかかわらず下落したため「逆相関が崩れた」と解釈されやすい。だが実質金利で分解すると整合する。

ミシガン大学の長期インフレ期待(5〜10年)は前月3.9%から3.4%へ -0.5pt 低下した。名目の -7bp(0.07%)を大幅に上回る下落だ。実質金利 = 名目 − インフレ期待で計算すると、期待ベースの実質金利はむしろ上昇した可能性がある。金は実質金利と逆相関するため、「実質金利が上昇して金が下落した」という通常の経路で動いたことになる。加えてドル高(DXY 月次 +2.48%)と地政学的な恐怖プレミアムの剥落という2つの下押し要因が重なった。3つの下押し要因が上方要因(名目金利低下)を上回った週だ。

計算実質金利分解の限界(推認の根拠と精度)

この分解はあくまで推認にとどまる。ミシガン大学の期待は消費者調査ベースで、市場がトレードする10年ブレークイーブン(BEI)とはホライズンも測定方法も異なる。TIPS実質利回りと10年BEI の当週データが手元になく、「実質金利が上昇した」という結論の数値確定はできない。

金 -3.0% の主因が実質金利上昇なのか、ドル高なのか、恐怖プレミアム剥落なのかの寄与分離は、TIPS 実質利回りデータが揃えば改めて行える。現状で確実に言えることは「名目金利低下だけを見て逆相関が崩れたと判断するのは早い」という点だ。

来週 NFP(7/2)の金への影響

シナリオNFP の結果金の方向
上振れ+170K超、失業率改善実質金利上昇を通じて $4,000 を試す
ベース+130K近辺綱引き継続、$4,000〜$4,213 のレンジで揉み合い
下振れ+100K割れ実質金利低下で $4,213 を再試(成長スケアなら安全資産買いも上乗せ)

キーレベルは $4,000(6月25日場中 $4,005 のテストを維持した心理的節目)が下値支持、$4,213(前週末6/18の逆算値)が上値抵抗、$4,368(2025年末終値 = YTDフラットライン)がその上の壁だ。

焦点③: 天然ガス・銀・銅、energy 複合体の内側の分岐

天然ガスは同じ「エネルギー」で逆方向

天然ガス($3.29/MMBtu)は月次 +6.20% と、原油(月次 -21.93%)とは真逆の方向で動いた。天然ガスには中東供給プレミアムが乗っていない。米国内の LNG 輸出増と猛暑(7月10日まで高温予報)の需要プルが価格を引き上げた。EIA 作業ガス在庫は2,835 Bcf(5年平均比 +152 Bcf 超過)と潤沢なのに上昇しているのが「供給逼迫でなく需要主導」の証拠だ。来週 7/2 の EIA 天然ガス在庫で注入ペースが鈍化すれば、猛暑 × LNG の引き合いが強いことの確認になる。

貴金属の内側でも選別が起きた。金 YTD -6.4%、銀 YTD -17.8%、プラチナ月次 -15.43%($1,630.60/oz)、パラジウム月次 -14.61%($1,213/oz)という並びは偶然ではない。最も通貨性の高い金が最も浅く、産業需要を抱える銀・PGM が最も深い(プラチナ・パラジウムは月次比較。同時間軸での厳密な比較は金銀比 69.4 のみ)。金銀比は 4,087.01 ÷ 58.87 = 69.4 で、通貨的逃避先(金)が産業需要(銀・PGM)をアウトパフォームする防御的な選別を示している。「貴金属一括下落」ではなく、減衰の深さが需要の性質(通貨性 vs 産業性)で分かれた。

詳細データEIA 天然ガス在庫の詳細(6月19日終了週、6/26発表)
指標5年平均比前年同期比
作業ガス在庫2,835 Bcf+152 Bcf(5年平均超過)-49 Bcf(前年同期下回り)
週次変化+76 Bcf(純注入)

前年比 -49 Bcf(下回り)と5年平均比 +152 Bcf(超過)が同居する状況は、今年の需要が昨年より高い(LNG 輸出増)のに対し、過去5年平均では在庫が積み上がっていることを示す。在庫超過が残る限り天然ガスの上値は自然と抑制される。来週の注入量が +76 Bcf より小さければ猛暑 × LNG の引き合いが強まっている証拠になる。

用語金銀比69.4の読み方

金銀比は金1オンスを銀で何オンス買えるかを示す。経験則では60〜70の範囲が概ねの中央域とされる。69.4はこのレンジの上端付近で、「金が銀に対して相対的に割高(通貨的逃避需要が産業需要に対して優位)」という状況と整合する。過去に80を超えた局面(2020年コロナショック時は125超)と比べれば金の一方的な強さではなく、中間的な位置での「金 > 銀」構図だ。

銅($6.207/lb)は週次・月次・YTD の変化率データが未取得で方向を提示できない。来週の ISM 製造業 PMI(コンセンサス ~53.0、前回54.0)と中国 NBS 製造業 PMI の結果を銅の動きと合わせて確認することで、景気敏感商品の現在地を読む補完材料になる。

一段深い視点: 2通貨配当の非対称と2022年との違い

中東和平プレミアムの「2通貨配当」

米・イラン和平という1つの震源が、コモディティ市場に2種類のプレミアムとして作用していた。原油には「供給プレミアム」(産地リスク料)、金には「恐怖プレミアム」(安全資産需要)だ。和平進展が同時に両方から地政学リスク料を抜いた。

剥落の深さが非対称なのは構造の違いによる。原油はホルムズ再開という「物理的な供給回復」が地政学プレミアムの消滅に上乗せされた。金には供給回復という機能がない。その代わり中銀の継続的な購入需要がフロアとして機能しているとみられ、プレミアム剥落が浅く留まった可能性がある。来週以降、両アセットを動かす共通軸は NFP(7/2)→ドル・実質金利という金融経路に移行する。

今週の原油下落を2022年と比較すると、同じ「戦争起因のプレミアム崩壊」でも構造が異なる点が見える。2022年はロシア・ウクライナ侵攻で WTI が年央に $120超まで上昇した後、供給リルートと景気後退懸念で $70〜80台へ数四半期かけて mean-revert した。今回は数ヶ月で2/27の戦前水準まで round-trip している。供給が物理的に戻る局面(ホルムズ通航再開)は「戻り切るまで下押しが続く」性質で、2022年より剥落が速く完全に近い。先物市場が供給回復を将来の在庫積み上げとして先行して織り込み続けるため、実際の輸出量データが出るより早く価格が下押しされ続ける構造だ。その分、ここから先は「プレミアム剥落」ではなく「需給余剰」という新規材料を要する段階に入っている。

WTI $68.86 は2025年末終値 $57.9 よりなお $10.96/bbl 高い(YTD +18.9%)。今週の崩落は「戦争プレミアムの round-trip(戦前水準への回帰)」であって「年初来の round-trip」ではない。Phase 2 が本格化した場合の潜在的な下落余地は最大で約 $11/bbl だが、その経路には供給・金融・需要の3方向が揃って下方に向かう材料が要る。

背景2022年下期との構造比較
比較軸2022年下期今回(2026年)
起点ロシア侵攻で WTI $120超ホルムズ封鎖でプレミアム積み上がり
崩落の主ドライバー需要破壊・景気後退懸念物理的供給回復(ホルムズ再開・輸出75%)
崩落のスピード数四半期かけて mean-revert数ヶ月で戦前水準に到達
ドル高の寄与DXY 114(同方向に加速)DXY 101.36(月次 +2.48%、下方に加わる)
Phase 2 への移行条件需要破壊が先行していたため底打ちは景気転換待ち需給余剰の実数確認(EIA 在庫ビルド転換が最初の証拠)

反証: 下方トレンド継続の弱点

  1. WTI は既に2/27安値=戦前水準に到達。剥落すべきプレミアムの大半が消えた。月次 -21.93% 級の再現には Phase 2 の新材料が要る
  2. 米・イラン和平が崩れれば剥落したプレミアムが原油・金の双方で即座に再評価される。「停戦継続」が供給回復ストーリーの大前提だ
  3. 金は原油と逆建てで、energy トレンドに含めると成立しない。週次 -3.0%(金)と月次 -21.93%(原油)を「コモディティ一括下落」と束ねると非対称な構造を見失う
  4. 金の実質金利分解は推認。TIPS 実質利回りが欠落しており、「逆相関の崩れの理由」は確定できない
  5. 油価安はやがてディスインフレ→秋利下げ期待→ドル安を呼ぶ。ドル高という金融経路の下押しは中期的に自己抑制される可能性がある
  6. 銅の週次変化率が未取得。景気循環の現在地は ISM と中国 PMI だけでは片肺になる

コモディティの金融側下押し(ドル高)の出どころを辿ると、Fed のバランスシートフローとの強い相関に行き着く。Fed は国債を売却して資金を回収する量的引き締め(QT)を続けており、市中銀行が Fed に預ける準備預金が減るほど銀行間の資金調達コストが上がりドル需要が強まる経路が機能する。H.4.1 データ(6/24週)では準備預金が $2,951.4B(週次 -$82.0B)と流出し、吸収先が TGA(財務省一般口座)の +$38.0B 積み上げと ON RRP(Fed が銀行から翌日物で資金を借りてドルを吸収する操作)の +$16.7B に分かれた。財務省と RRP 経由の流動性吸収が DXY との強い相関を示している。準備希少化が銀行間の資金調達コストを押し上げ、ドル需要を支える経路として観察されるが、先物建玉・在庫データが欠落しており因果の確定には至らない。準備預金は ample-reserves の目安とされる約 $3.0T まで残り約 $49B の位置にある。Warsh 新議長下での FOMC(6/17)がバランスシートを含む5つのタスクフォースを新設しており、QT 減速の制度シグナルとして注目に値する。実現すれば H2 にかけてドル建てコモディティへの金融経路の下押しが緩む方向になりうる。タイミングは次回 FOMC(7月28〜29日)待ちだ。

詳細データ準備預金フローの詳細(6/24週、Fed H.4.1)
項目水準週次変化
準備預金$2,951.4B-$82.0B
TGA(財務省一般口座)$918.7B+$38.0B
ON RRP(翌日物リバースレポ)$333.6B+$16.7B
非流動性吸収合計(TGA+RRP)$1,252.3B

準備預金 $2,951.4B は2019年9月のレポ金利急騰(準備希少化で Fed が QT 停止に転じた局面)前夜と構造的に同型だ。違う点は今回がエネルギー供給ショックを伴っている点。QT 減速が実現すれば、ドル建てコモディティへの金融経路の下押しが H2 にかけて緩む方向になりうる。

来週のカレンダー(コモディティ関連、2026年6月29日〜7月3日)

日時(JST)イベント確認すること
6月30日(月)終日中国 NBS 製造業 PMI(6月)原油最大需要国の景況。弱ければ Phase 2 入りを需要側から後押し
6月30日(月)終日Q2末 FX ヘッジリバランス機関投資家のドル売り需要。ドル小幅安ならコモディティの短期支えになりうる
7月1日(水)夜米 ISM 製造業 PMI(6月)コンセンサス ~53.0(前回54.0)。50割れで景気敏感商品に追加下押し圧力
7月1日(水)23:30EIA 週次石油在庫(6/26週)Phase 1→Phase 2 移行の最初の定量証拠。ビルド転換 vs ドロー継続
7月2日(木)21:30NFP 雇用統計(6月)コンセンサス +130K(前回 +172K)。ドル方向を通じて原油・金を同時に動かす
7月2日(木)23:30EIA 週次天然ガス在庫(6/26週)注入ペースが鈍化するか。在庫5年平均比 +152 Bcf 超過の状況下で
7月3日(金)終日NY 市場休場独立記念日観測日)実質4営業日週。NFP 後の薄商いで値動きが増幅されやすい

ソース

  1. WTI 原油: Trading Economics https://tradingeconomics.com/commodity/crude-oil (2026-06-28取得)
  2. Brent 原油: Trading Economics https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil (2026-06-28取得)
  3. 金: Trading Economics https://tradingeconomics.com/commodity/gold (2026-06-28取得)
  4. 天然ガス: Trading Economics https://tradingeconomics.com/commodity/natural-gas (2026-06-28取得)
  5. プラチナ: Trading Economics https://tradingeconomics.com/commodity/platinum (2026-06-28取得)
  6. パラジウム: Trading Economics https://tradingeconomics.com/commodity/palladium (2026-06-28取得)
  7. EIA 原油在庫変化: Trading Economics https://tradingeconomics.com/united-states/crude-oil-stocks-change (2026-06-28取得)
  8. EIA 週次石油レポート: https://www.eia.gov/petroleum/supply/weekly/
  9. EIA 週次天然ガス在庫: https://www.eia.gov/naturalgas/storage/
  10. Energy Edge 天然ガス在庫レポート: https://energyedge.com/natural-gas-weekly-storage-report-6-25-2026/
  11. 金 2025年末終値 $4,368: goldprice.org https://goldprice.org/gold-price-today/2025-12-31
  12. 銀 2025年末終値 $71.65: BullionVault https://www.bullionvault.com/gold-news/gold-news/gold-silver-2025-record-price-123120251
  13. WTI 2025年末終値 $57.9: Traders Union https://tradersunion.com/news/financial-news/show/1179570-wti-crude-oil-closes-2025/
  14. 金価格(6/18朝 $4,252参照): Fortune https://fortune.com/article/current-price-of-gold-06-18-26/
  15. 金価格(6/25 $4,005参照): Fortune https://fortune.com/article/current-price-of-gold-06-25-2026/
  16. OPEC+ 第41回閣僚会議: OPEC公式 https://www.opec.org/pr-detail/604-7-june-2026.html
  17. OPEC+ 会議結果詳報: Eastern Herald https://easternherald.com/2026/06/07/opec-plus-production-quotas-december-2026-ministerial-uae/
  18. OPEC+ 5月増産決定: CNBC https://www.cnbc.com/2026/05/03/opec-announces-188000-barrels-per-day-output-increase-.html
  19. 農産物(CBOT 6/26清算値): CME Group https://www.cmegroup.com/markets/agriculture/