クロス円は、日本の外国為替市場で、円と米ドル以外の通貨とのペアを指す用語です。
定義
「クロス円」は、米ドル以外の通貨と日本円の通貨ペアを指します。たとえば、EUR/JPY(ユーロ/円)とAUD/JPY(豪ドル/円)が該当し、USD/JPY(米ドル/円)は含みません(DMM.com証券「クロス円」用語集、SMBC日興証券「クロス円」用語集)。
通常のペア表記では、EUR/JPYは「1ユーロが何円か」、AUD/JPYは「1豪ドルが何円か」を表します。そのため、これらのレートが上がれば、ユーロまたは豪ドルが円に対して上昇したことを示します(欧州中央銀行のユーロ参照レート表、豪州準備銀行の為替レート表)。
週次相場記事でEUR/JPY +0.54%、AUD/JPY +0.84%を「クロス円も上昇」と記す場合、この語はその二つのペアを指します。「リスクオン」は記事中の相場環境の説明であり、クロス円の定義には含まれません。
クロスレートとの違い
「クロス円」は通貨ペアの分類を表す一方、「クロスレート」は第三の通貨を参照して算出する為替レートを指します。たとえば豪州準備銀行は、EUR/AUDをEUR/USDとAUD/USDから求める例を示しています(豪州準備銀行「Exchange Rates and their Measurement」)。したがって、クロス円という呼び方だけでは、その市場価格が米ドル経由で算出または取引されるとは限りません。
英語の市場表現には yen cross(複数形 yen crosses)がありますが、統一された正式訳語とまでは確認されていません(StoneX/FOREX.com)。
この用語を扱う本編記事
詳しくは
- DMM.com証券「クロス円」用語集 — 用語の範囲と通貨ペアの例。
- SMBC日興証券「クロス円」用語集 — 読みと用法。
- 豪州準備銀行「Exchange Rates and their Measurement」 — クロスレートの定義と算出例。
- 国際通貨基金『Foreign Exchange Reference Rates』第III.L節「Cross Rates」 — クロスレートの範囲と算出方法。
- 欧州中央銀行「Euro foreign exchange reference rates」、豪州準備銀行「Exchange Rates」 — EUR/JPY、AUD/JPYの表示方向。
- StoneX/FOREX.com「AUD/JPY, EUR/JPY, GBP/JPY: The good, the cautious and the heavy」 — yen crosses の用例。